抄録
日本周辺を通過する爆弾低気圧の中心気圧とその停滞性について,ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の40年再解析データ(ERA-40)及び第3期結合モデル相互比較計画(CMIP3)の代表的な3モデルを用いて解析を行った.将来気候(A1Bシナリオ)として現在気候に比べ2℃全球の平均気温が上昇する年代を用いた.日本付近において,中心気圧が960hPa以下となり,かつその際の中心気圧の位置の移動速度が30km/h以下になる爆弾低気圧は,再解析,現在気候,将来気候共に,北海道北東部のオホーツク海付近に位置することが分かった.このように停滞しかつ強力な爆弾低気圧が存在する場合,その東側にブロッキング高気圧を伴うことが多い.