抄録
年間900万t発生する稲わらのエネルギー利用が求められている.稲わらペレットを,近年普及が進む家庭用木質ペレットストーブで燃焼した場合,灰分が多いため燃焼阻害が発生し長時間燃焼が難しい.本研究はその燃焼阻害の原因を明らかにした上で,稲わらと木質を成形時に混合する稲わら・木質混合ペレットの家庭用木質ペレットストーブへの利用を検討した.その結果,燃焼阻害は,通説であるクリンカ形成以前に,灰が火格子上に粗に堆積することで発生することが分かった.また混合ペレットは,同割合の稲わらと木質ペレットの混焼に比べ,灰の粒度が小さく密に堆積するため,火格子上の灰の体積が小さくなり,さらに稲わら混合率10%の場合,稲わら100%の場合よりも長時間連続燃焼可能であることを示した.