抄録
耐震性貯水槽は流入管に対して口径が大きくなるため内部の水の流れが遅くなり,滞留領域の発生が懸念される.また,貯水槽は配水管網の末端に設置されることもあるため,貯水槽内部の流れ場とともに,残塩濃度の管理が重要である.本研究では,流入流量の変化に伴う耐震性貯水槽内部の流況変化を数値流体解析により検討した.はじめに,代表的な貯水槽形状における流れ場を解析し,滞留領域の発生位置および流入出部の残塩濃度変化を把握した.次に,実運用されている貯水槽の流入出部における残塩濃度を測定した結果と解析結果を比較し,解析の妥当性を確認した.そして,同解析手法により貯水容量100m3規模の貯水槽における流入流量を低下させた場合の流れ場を検討したところ,日流量が10m3/day以下になると,貯水槽内部および流出部の残塩濃度が流入時より大幅に低下し,水質面での懸念が判明した.