抄録
廃棄物の分野においても,廃棄物の資源利用やエネルギー回収が重要視されている.なかでも循環資源として高いポテンシャルを有しているものに生ごみやし尿・浄化槽汚泥などの有機系廃棄物がある.これらの有機系廃棄物はこれまで焼却施設やし尿処理施設で個別に処理されてきており,今後の処理システムの方向性の一つとして,集約処理による資源化が考えられる.本研究では,その集約処理の一つの方法として,人口規模が少ない地域を対象に,汚泥再生処理センターでの集約処理を検討した.結果として,従来の焼却処理と比較した場合,汚泥再生処理センターでの集約処理はエネルギー収支の改善および環境負荷の削減,コスト削減などの面で効果が見られた.さらに,汚泥再生処理センターで処理方法の違い(高速堆肥化とメタン発酵の比較)を検討した場合,すると,メタン発酵の方が高速堆肥化に比べ,コストは高くなるが,エネルギー収支の改善と環境負荷の削減の面で効果が大きいことがわかった.