抄録
今後,人口減少や3Rの推進によるごみ減量により,都市の規模によっては現行の一般廃棄物処理システムの維持が困難になる恐れがある.一方,可燃ごみの処理方法としてバイオガスプラント(以下,BP)が注目されている.本研究では,特にコストとエネルギーの効率性に着目し,都市規模ごとに想定される課題解決のために果たすBPの役割を議論し,将来のごみ減量を考慮した効率的な処理システムを検討した.その結果,小規模自治体では生ごみ単独でのBPの維持は困難となる.中規模自治体では機械選別+乾式メタン発酵が有効である.大規模自治体では生ごみ分別+湿式メタン発酵が有効であるが,個々の自治体での応用的検討にあたっては既存の分別収集システム変更を考慮する必要があることを示した.