抄録
近年の家庭等における節水型機器の普及や,洗濯等における水の再利用など,家庭の水使用形態の変化を,長期的な水資源計画等において考慮することが重要になってきている.本論文では,上水道の給水制限時における,家庭の使用水量の変化を詳細に推計するため,複数月の使用水量の集計値である世帯別検針データから,集計値の時間的配分手法を用いて,日使用水量を推計する手法を提案した.上水道の検針データは世帯により集計期間が異なるため,給水制限時の使用水量を横並びで比較することが困難であるが,提案した手法により日使用水量が推計されるため,統一的な評価が可能となる.本手法を適用することで,世帯毎の検針日の相違にかかわらず,同等の推計結果が得られることを示した.