廃棄物が海水に没し、有機物の分解や汚濁成分の洗い出しが緩慢である海面処分場では、早期安定化が懸案事項となっている。海面処分される廃棄物の多くは都市ごみ焼却灰であり、焼却灰は粒径が小さいほど汚濁成分を多く含むことが知られている。本研究では、海面処分場の早期安定化を図る手法として、焼却灰の細粒子区分の除去に着目し、海面処分場を模した大型二次元土槽実験を行い、細粒子区分の除去による埋立地盤の透水性及び浸出水の水質の改善効果について検討した。その結果、細粒子区分の除去により埋立地盤の透水係数は約3倍~1オーダ上昇し、浸出水の水質に改善が見られ、特に浸出水のpHは約1オーダ低下した。埋立地盤の透水性及び浸出水の水質の向上を図ることができる細粒子区分の除去は海面処分場の早期安定化技術として期待される。