抄録
我が国の都市では,人口減少に加えて今後の都市政策による人口移動により水需要が変動し,給配水システムに影響を与えることが考えられる.そこで本研究では,東京都内に位置する多摩ニュータウン(NT)を対象として5つの将来の都市構造シナリオに基づいて,給配水システムのダウンサイジングや直結直圧給水化等による効果と課題を検討した.その結果,コンパクト化は管路更新費用の削減では有利だが,水理学的滞留時間や給水ポンプでのエネルギー消費量の削減には繋がらないことが明らかとなった.また,給配水システムの再構築では,配水本管のダウンサイジングによって管路更新費用を大幅に削減できること,多摩NTの地形的特徴により高層ビルでも直結直圧式給水が可能なため,都市構造シナリオによらず直結化により88%以上のエネルギーを削減できることが示された.