2016 年 72 巻 7 号 p. III_475-III_479
魚にとって休憩場所を確保することは重要である.魚は疲労が蓄積する普通筋と疲労が蓄積しない血合筋を有している.魚が普通筋を使用した場合は疲労が蓄積するため,休憩場所が必要となる.本研究は,開水路の植生密度を変化させて,オイカワの遊泳特性の変化を検討したものである.その結果,オイカワは流速の遅い区域を休憩場として活用していることが判明した.また,オイカワは植生密度が高くなるに伴い,植生域内での停滞が確認された.さらに,進入した魚の遡上率は植生密度との明確な関係性は観察されなかったが,植生密度が高くなるにつれて植生域への進入率は増加することが確認できた.