2017 年 73 巻 4 号 p. 159-171
本研究は,細菌類のPseudomonas aeruginosaを用いた細菌増殖阻害試験の検討を行うとともに,医薬品類の毒性評価を行った.マイクロプレート内での細菌増殖を調べたところ,8時間程度の培養によって試験に十分な細菌増殖が得られた.また,マイクロプレートリーダーによる吸光度と細菌細胞濃度との間には高い相関が認められ,吸光度の測定によりマイクロプレート内での細菌増殖量を測定できることが示唆された.細菌増殖阻害試験による医薬品類の毒性評価の結果,テトラサイクリン系,アミノグリコシド系およびキノロン系抗菌剤については高い毒性が示されたが,βラクタム系抗菌剤については,毒性影響は見られなかった.また,解熱鎮痛剤や不整脈用剤など抗菌剤以外の医薬品類については,強い毒性影響は示されなかった.