抄録
都市感潮河川では下水の未処理水の流入による汚濁物質が河床に堆積し,底泥による栄養塩類の溶出,貧酸素化が問題となっている.本研究では,同様の問題を抱える日本橋川の底泥を例として,材質の異なる4種類の底質改善材料を用いて,溶存酸素消費量および栄養塩類溶出量の改善効果を,アクリル製円筒型カラムにて室内比較実験により検討した.溶存酸素消費速度および栄養塩類溶出速度を算出し比較した結果,石炭灰造粒物,覆砂は,溶存酸素消費速度および栄養塩類溶出速度に対し抑制効果が大きい傾向が見られた.また,鉄炭塊は,酸素消費速度については抑制効果はなく,栄養塩類溶出速度については,DTPについて各材料の中で最も大きい抑制効果が見られた.