抄録
高精度な河川流量予測システムの構築を目指して日本域における1km解像度陸面モデルを構築し,水平空間解像度および土壌分類データの変更が河川流量の表現にどの程度影響を与えるか検証した.検証期間は2014,2015年の2年間とし,検証対象領域は国内6河川を選定した.構築した陸面モデルは陸面物理過程モデルMATSIROと動的河道モデルCaMa-Floodの2つからなる.陸面物理過程モデルに与える土壌分類をより詳細なソースデータから作成することで河川のピーク流量および低水流量の表現がより観測値に近づき2期間・6領域における12の実験のうち9実験にて対観測流量比率が1-14%向上し,かつRMSEはすべての実験で減少した.また,モデル水平空間解像度の向上により12実験中10の実験でRMSEの減少が確認された.