抄録
魚道設計に資する小型通し回遊魚の遊泳能力を調べることを目的に,産卵遡上期のワカサギを対象とし,スタミナトンネルによる遊泳実験を行った.本実験から得られた知見を以下に示す.1)流速79~128cm/sの際の体長6,7cm台のワカサギの平均遊泳速度は107~141cm/sであった.2)体長6,7cm台のワカサギの,遊泳速度と遊泳時間の関係を表す実験式を得た.3)ワカサギが前進可能な距離と流速の関係を表す近似曲線を遊泳距離曲線と称して整理した.遊泳距離曲線から,例えば体長6,7cm台のワカサギが120cm前進可能な流速は,約87cm/sであると読み取ることができ,遊泳距離曲線は,今後の魚道設計にあたって高流速域の距離設定等の一指標になることが期待される.