抄録
下水処理場における汚泥の発生量削減は,汚泥の焼却場への運搬コストの削減,廃棄物の削減などの観点から,常に課題とされてきている.汚泥脱水時には,一般的には凝集剤が添加されるが,コストが高く,繊維質等を脱水助剤として活用する取り組みが行われている.
本研究では,下水汚泥の脱水助剤として,バイオマスとしての活用が求められている河川や道路等で発生する刈草に着目した.裁断したイネ科の刈草を,標準活性汚泥法の濃縮汚泥および消化汚泥,OD法の濃縮汚泥と混合し,実験室レベルでの脱水試験を行った.その結果,汚泥のTSに対して,凝集剤1 %,刈草10 %の混合により,どの性状の汚泥においても,凝集剤添加量の減少や汚泥量の減容化が見込まれ,汚泥処分費の削減が期待できる可能性が明らかとなった.