抄録
全国60箇所の下水処理場にアンケートを実施することで,汚水ポンプ,脱臭ファン,送風機,汚泥ポンプ,遠心脱水機,遠心濃縮機の6つの主要機器の維持管理費用の現状について調査を行った.この調査結果より,10,000m3/d,50,000m3/d,100,000m3/dの3つの処理場規模毎の下水処理設備の維持管理費用の基礎モデルを構築した.また,この基礎モデルを用いて,平成27年度にB-DASHプロジェクトに採択されたICT設備劣化診断技術2件の導入効果を試算し,適用性を確認した.その結果,ICT設備劣化診断技術により約240万~2,000万円/年程度の導入効果が得られる可能性が試算され,基礎モデルの適用が定量的な評価に有用であることが示された.