抄録
本研究では化学物質排出移動量届出制度で対象とする第一種指定化学物質について沖縄県での下水処理水中濃度を推計し,健康リスク及び生態リスク初期評価を実施した.健康リスク初期評価では,下水処理水で育てた根菜類の摂食を想定した場合に情報収集に努める必要がある(ハザード比HQが0.1≦HQ<1)と考えられる化学物質はポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテルのみであった.生食用野菜摂食や親水,修景利用,散水利用,トイレ水洗利用,農業利用(間接経口摂取)を想定した場合のHQは評価した物質全てで0.1を下回り,特段の対応は要しないと判断された.下水処理水に対する水生生物の直接ばく露を仮定した生態リスク初期評価では,ヒドラジンなど8物質は下水処理水中の実濃度測定などの詳細な評価(HQ≧1)を行うべき化学物質と判断された.