抄録
水生生物の保全に係る水質環境基準を適用する水域の区分は「個々の水域の水生生物の生息特性(地域特性)」を踏まえて行うこととされているが,地域特性を把握する手順は示されていない.本研究では,福岡県那珂川水系の淡水魚類の群集解析に基づき,地域特性を把握する手法を検討した.群集解析の結果,出現地点の標高および各魚種の生活史型により,出現魚類47種は5グループに分類された.5グループを環境省が示した水域区分の指標種と対比し,低温域および高温域を好む魚種に分けた分類表を作成した.この分類表を用いて博多湾に流入する6水系を評価した結果,全ての調査地点で指標種または指標種に相当する地域魚種が出現していることを確認した.以上の検討結果を踏まえ,淡水魚類相の地域特性を把握する手法を提案した.