土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第26巻
気候変動リスクに対する日本人の態度 -対象者の明確化と情報提供の課題-
小杉 素子馬場 健司田中 充
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 5 号 p. I_41-I_52

詳細
抄録

 気候変動リスクに対する理解と対処行動を促進するための情報提供方策を検討するため,ターゲットの特徴の明確化とそのボリュームを把握することを目的として質問紙調査を行った.その結果,地球温暖化(気候変動)に関心が乏しく明確な意見を持たないクラスターが回答者の4割以上であること,リスク認知や不安感が高く施策に肯定的な態度を持つクラスターや,地球温暖化に対して懐疑的で対策の必要性を感じていないクラスターの存在を明らかにした.人数の多い無関心なクラスターへの対応が特に重要と考え,地球温暖化に対する理解や対処行動を促進するための情報内容について考察した。地球温暖化について異なる考えを持つ人々に対し,それぞれに適した情報提供活動を行うことで,理解の深まりや緩和・適応策への肯定的評価や協力が期待できるだろう.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top