2019 年 75 巻 6 号 p. II_1-II_6
沿岸海域の健全な物質循環系を構築するためには,窒素,リンだけでなくケイ素も含めた栄養塩負荷の適正なバランスを管理することが重要である.本研究では,淀川流域における栄養塩動態の定量的解明に向けて,地下水を取水している浄水場を対象に取水量および水質データの収集・分析を行い,地下水取水による窒素・リン・ケイ素の輸送量を算定するとともに,流域の物質輸送に及ぼす影響について解析した.
水源として取水されている地下水の水質分布特性は水質項目によって異なり,ケイ素は淀川下流域の深井戸で高い濃度を示した.また,平水時におけるケイ素の河道断面輸送量の10~15%が浄水場での地下水取水に由来しており,流域スケールの物質輸送に大きな影響を及ぼしていた.