2019 年 75 巻 7 号 p. III_237-III_244
下水道整備が期待される東南アジアでの課題の一つに下水の低水量・低濃度が指摘されており,これによる処理場と流入下水とのミスマッチがしばしば問題となっている。この要因には,未発達な下排水系内での下水量・質の変化が挙げられる。本研究では,効果的な下水道整備の実現のため,下排水系の発達に応じた下水性状の変化を推計する方法論を提示する。トイレ排水と雑排水の汚濁負荷原単位を起点とし,下排水系末端での下水量・濃度・負荷量を推計するモデルを構築,フエ市の街区に適用し,現状ベースの推計値と実測値を比較して妥当性を検証した。同区を例に下排水系の4つの発達段階に応じて将来の下水性状を推計することで,下排水系の発達段階の諸条件が水量増加,濃度上昇および負荷量増加に与える影響を定量的に明らかにすることができた。