2019 年 75 巻 7 号 p. III_443-III_450
本研究では下水汚泥(脱水汚泥)を用いた食用きのこ栽培を目指す上で必要な量産化技術を開発するために,乾き蒸気攪拌装置を用いたヒラタケの量産化試験を実施した. その結果,本装置で培地を7分間攪拌することで脱水汚泥と他の培地材料は均一に混合され,培地の量産化は可能となった. また,乾き蒸気を注入した試験区の子実体収量,形態学特性は対照区と遜色ないことがわかった. さらに,きのこ栽培過程で発生するCO2の農業利用技術を開発することを目的にパッションフルーツを用いたCO2施肥試験を実施した. CO2施肥は成熟日数を増加させ果実重量,糖酸比を有意に高くし,果実品質を向上させることが明らかになった.