2020 年 76 巻 7 号 p. III_141-III_148
本研究では,殺線虫剤によらない線虫害抑制技術の開発に向け,し尿汚泥を活用したBacillales目細菌・自活性線虫優占化土壌改良資材施用による連作障害発生カンショ栽培圃場の細菌・線虫群集構造変化を評価した.カンショ圃場より採取した土壌試料を用いてDNAシークエンス解析,植物寄生性線虫の定量PCR,ベルマン法による線虫種の判別を行った結果,殺線虫剤区や非防除区と比較して土壌改良資材施用区(1t/10a, 3t/10a)では,元々圃場に存在していなかった土壌改良資材中の放線菌・Bacillales目細菌が成育環境を獲得し,自活性線虫密度が約2倍となった.また,殺線虫剤区および土壌改良資材施用区(3t/10a)において,Dorylaimida目の雑食性線虫が線虫全体の2%以上検出され,無施用区および土壌改良資材施用区(1t/10a)で検出されたDorylaimida目の存在割合の約12倍を示した.