2021 年 77 巻 7 号 p. III_221-III_230
下水処理場シミュレータを利用し,モデル地域を対象に広域化・共同化による下水処理場の資源・エネルギー循環拠点化について省エネ・創エネやリン回収の観点から総合的に評価した.汚水処理施設の連携では,下水道接続と設定した農業集落排水処理施設の効果が大きかった.A処理場合計発電量19,430kWh/日のうち農業集落排水由来が16%を占め,発電量は3割ほど増加していた.B処理場には3つの処理場のリンが集約されており,リン回収量は159kg/日と,B処理場単独の94kg/日の1.7倍となり,流域処理場間も含めた広域化・共同化が有効であると考えられた.エネルギー循環拠点としての総合評価では,B処理場を3つの処理場のエネルギー拠点と考えると消化ガスの処理場連携の効果が大きく自給率は82%となった.さらに,汚水処理施設との連携では発電量が19,200kWh/日まで増加し,自給率104%と電力自立が可能であると計算された.