土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第58巻
ニューラルネットワーク(FFANN)および長期短期記憶(LSTM)を用いた2-MIB/ジェオスミン濃度の簡易予測および将来予測モデルの構築
石井 崇晃山村 寛根本 雄一
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2021 年 77 巻 7 号 p. III_303-III_310

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抄録

 近年,荒川水系においてカビ臭物質である2-メチルイソボルネオール(2-MIB)を生成する藻類の生息が確認されており,カビ臭物質の除去を目的として粉末活性炭の添加がされている.しかしカビ臭物質濃度の測定は難易度が高く,多くの浄水場では経験的に粉末活性炭を添加している.本研究では,浄水場の保有する大量のデータを利用して,FFANN(Feed Forward Artificial Neural Network)とLSTM(Long Short-term Memory)によりカビ臭物質濃度を短期予測するモデルの開発をした.FFANNでは現時刻の基本的な水質項目からカビ臭物質濃度を推定することができた.また,LSTMでは現時刻までのカビ臭物質濃度を含む水質から,3時間後のカビ臭物質濃度の短期予測ができた.このことから,FFANNより得られたカビ臭物質濃度をLSTMに入力することで,粉末活性炭の制御が可能であると示唆された.

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