2022 年 78 巻 6 号 p. II_1-II_10
脱炭素の達成に向け,地域レベルで再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用を進めるためには,時間単位でのエネルギー需給や需要立地を考慮した地域のエネルギー利用計画が必要である.よって本研究では,埼玉県越谷市を対象に,自治体との対話を通して描いたごみ焼却施設周辺の将来像に基づき,立地誘導も含めたごみ焼却廃熱の熱供給シナリオを設定して,月間・時間レベルでの廃熱供給の需給解析を行うことで,脱炭素効果を評価した.4シナリオを評価した結果,夜間や夏期においても一定の熱需要がある病院やビニールハウス,将来的に計画されている道の駅をごみ焼却施設周辺に立地させることで,より多くの温水・冷水供給を行うことができ,化石燃料代替による脱炭素効果が大きくなると示された.