神戸空港は神戸港沖に埋立・造成されたが,海底地盤には粘土層が厚く堆積している.埋立・造成や舗装工事にあたっては,これら粘土層の圧密特性を十分に考慮する必要があり,その特性に沿って造成地盤高さや舗装勾配等を決定していくことが必要であった.このことより,施工前の土質調査結果に基づいた圧密解析を行うとともに,施工中に計測されたデータに基づいて予測値を見直し,精度の高い予測結果を得るよう日々改善した.具体的には,舗装工事完了後の不陸発生を極力抑える埋立・造成工事計画を立案するとともに,圧密特性を考慮した舗装高さや勾配の設定を行った.工事は約6年という短期間で終了したが,圧密を考慮した施工管理手法導入の結果,舗装面には大きな不陸も発生することなく,所定の空港機能を維持することができている.