土木学会論文集F
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和文論文
画像処理によるコンクリ-ト構造物の高精度なひび割れ自動抽出
藤田 悠介中村 秀明浜本 義彦
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2010 年 66 巻 3 号 p. 459-470

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抄録

 本論文では,光の変動や影あるいは壁面に汚れのある画像に対して,二つの前処理と,閾値処理の問題に対する二段階の抽出処理からなる高精度なひび割れ自動抽出法を提案する.本手法では,撮像系の条件により画像の分解能を指定することで,画像処理のスケールパラメータの設定を容易としている.また,前処理の多重スケール線強調処理により,抽出したひび割れを幅別に分類することが可能である.さらに,二段階の抽出処理では,確率的弛緩法を適用することにより閾値のようなパラメータの設定を不要としており,段階的閾値処理により高精度な抽出を実現している.光の変動がある状態で汚れなどの見られるコンクリート表面を撮影した画像を用いた実験により,提案手法は従来法や従来の閾値処理と比べて抽出性能が高いことを示している.

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© 2010 社団法人 土木学会
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