土木学会論文集G
Online ISSN : 1880-6082
ISSN-L : 1880-6082
和文論文
都市ごみ焼却灰を主原料とした固化材開発の基礎的研究
前野 祐二三原 めぐみ森 寛長山 昭夫
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 3 号 p. 297-307

詳細
抄録

 焼却灰の有効利用は,埋立処分場の建設が困難なことから,益々重要性が増してきている.そのため,焼却灰の溶融処理,エコセメントなどが普及しつつある.しかし,これらの施設は,建設費,維持費が高額で中小の自治体では建設が困難である.そこで,本研究は都市ごみ焼却灰(飛灰を含まない)の安価な有効利用を試みた.焼却灰は有害物質の溶出が少ないことと,2mm以下の焼却灰は,ごみの燃えた灰分がほとんどであることから,焼却灰の中でも2mm以下を対象に研究した.これを粉砕したものと石炭灰,生石灰などを添加した混合物が,セメントと同様に水と混合,型枠への打設により,任意の形状を有する高強度固化体を製造できる可能性がある.さらに,この固化体の鉛の溶出量は,土壌環境基準以下となった.

著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top