2007 年 63 巻 1 号 p. 40-50
土木構造物の建設による社会的便益と環境便益を評価することが重要であるが,これまで環境便益についてはほとんど検討されていない.本研究では,慢性的な交通渋滞交差点における地下道建設による直接的な環境負荷と渋滞解消による間接的環境負荷低減効果を検討し,地下道建設による環境便益を総合的に評価した.その結果,地下道建設に関してCO2およびSOxは資材製造時に,またNOxは施工時に多く排出されること,地下道建設時の環境負荷量は約9年で自動車交通の環境負荷低減分により相殺されること,などが明らかになった.