抄録
本研究では,日本国内で排出されている産業廃棄物についてマテリアルリサイクルを中心に再資源化・有効利用を推進することによって,どの程度の環境負荷(温室効果ガス(GHG)排出量・最終処分量)削減効果が見込めるのかというポテンシャル評価を試みた.GHG削減ポテンシャルは,リサイクルに伴って排出されるGHGから廃棄物としての処理・処分(焼却・埋立処分)を回避することによって削減されるGHGおよび天然資源からの製品製造を回避することによって削減されるGHGを差し引くことによって算出した.GHG削減ポテンシャルは国内の総GHG排出量の0.7%に相当する約1,100万ton-CO2と推計され,最終処分量については国内の総最終処分量の約13%に相当する約440万tonの削減ポテンシャルが示唆された.