2012 年 68 巻 1 号 p. 163-174
我が国では環境意識の高まりから廃棄物リサイクルが推進されているものの,リサイクルにはコストを要するため,その市場性が問われている.一方,廃棄物リサイクルを実施する本質は環境負荷の削減である.本研究では直接コストに加え,環境負荷を環境コストとして内部化することで,廃棄物リサイクルを社会的に評価する社会環境効率性評価手法を検討・試作する.具体的に,廃棄物リサイクルには様々な不確実要素が絡み合っているため,感度分析およびモンテカルロシミュレーションを用いることで不確実性をも考慮した社会環境効率性評価を実施した.その結果,特に再資源化等率の低い建設汚泥に着目したところ,建設汚泥のリサイクルの社会環境的な有意性を定量的に評価することができた.