2015 年 71 巻 2 号 p. 125-135
地盤凍結工法では,立坑などの付近に凍結管を埋設し,土圧や水圧に耐える凍土を造成する.造成後,掘削や鋼材のガス切断などの加熱により,凍土の部分的な温度上昇や解凍が生じる場合がある.また,凍土造成の抑制のため,凍結管の冷却液の循環停止や温度を変更することもある.
一般に本工法による凍結現場の凍土形状は複雑で,上記のような熱条件の時間変化があるため,経過時間に伴う凍土の範囲や温度分布の事前予測が重要である.そこで差分式による三次元非定常熱伝導解析法を導出し,差分式,境界条件を説明する.実施工の実測値と本解析法による解析値との比較を行い,また,凍土壁への熱浸入の影響を評価するために,シールドトンネルの地中接続工事を想定したモデル解析結果を示す.