2015 年 71 巻 4 号 p. 335-351
米沢盆地の北東端に,有機質土と粘性土を主体とした100m以上の深さの軟弱地盤(白竜湖軟弱地盤)地帯がある.この軟弱地盤において高速道路を建設するに当たり,真空圧密工法による地盤改良を計画しているが,当該地盤の最上部は有機質土の中でも未分解の泥炭(高有機質土)が分布しているうえ改良対象深度内に砂層も存在しており,真空圧密工法の効果に対する懸念があった.このため,高速道路本体の設計に先立ち,試験盛土を構築して改良効果を確認するとともに,周辺への影響や盛土本体の挙動等を観測したうえで,真空圧密工法の適用性を判断するものとした.構築した試験盛土を観測した結果から,地表部付近の気密性を高めたうえで,補助工法で周辺地盤の変状を抑制すれば,真空圧密工法の当該地盤への適用性がより向上するものと判断した.