2015 年 71 巻 4 号 p. 352-364
本研究では,港内側が石材で補強された混成堤の津波に対する安定性評価を目的に,水平載荷を受けるケーソンの二次元個別要素法解析を実施した.越流の発生の有無により着力点を変えた条件で解析を実施した.解析結果より,補強時の水平抵抗力は無補強時に比べて最大3倍程度まで増加することが明らかとなった.また越流の発生の有無により,ケーソン挙動および土圧分布に相違が認められた.DEM解析結果を基に外力条件を設定し,円弧滑り解析を実施した.その結果,越流が発生する条件での支持力を評価できることが明らかとなった.越流が発生しない条件においては,ケーソン背面の土圧を補強領域の形状に応じて設定し,モーメントの釣り合いから,極限時の作用荷重を求めた.DEM解析結果との比較から,当安定性評価法の妥当性が明らかとなった.