抄録
走査電子顕微鏡により水砕スラグの潜在水硬性の発現と析出物の生成過程を微視的・経時的に観察するとともに,X線結晶構造解析による化合物同定法を用いて析出物の特定を試みた.その結果,養生液や養生温度・期間を変えて実施した一連の試験では,水砕スラグの潜在水硬性を励起して固化作用を促進するには,水砕スラグの溶出物と化合するイオンを含む人工海水での養生や,刺激剤としてのスラグ微粉末の添加が効果的であることを示した.また,潜在水硬性により析出する物質は粒状,皮膜状あるいは柱状の結晶構造を形成しており,スラグ粒子間を固結させる効果と間隙構造を充填する効果を発揮することを示した.