土木学会論文集C(地圏工学)
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和文論文
海水曝露環境にある固化処理土と破砕粒子の劣化特性に関する実験
新舎 博堤 彩人
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2016 年 72 巻 3 号 p. 265-276

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抄録

 浚渫土を原料土として作製した固化処理土を破砕し,この破砕粒子を砂礫の代替品として護岸背面の裏埋などに利用することができれば好都合である.しかしながら,固化処理土を海水中で長期間曝露すると,海水に触れている表面からCa2+が溶出し,強度の低い劣化層が形成されることが知られている.破砕粒子にこうした劣化が生じると,初期に持っていた内部摩擦角が大きく減少する可能性がある.そこで,含水比が110%の浚渫土に固化材を100~400 kg/m3添加した固化処理土とその破砕粒子を海水曝露条件下に放置し,その劣化特性を調査した.その結果,海水曝露による劣化の影響がない場合は砂礫の代替品としての利用が可能と考えられるが,海水曝露における50年後の長期予測を行うと,劣化の影響が大きい可能性があることが明らかとなった.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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