土木学会論文集C(地圏工学)
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和文ノート
攪乱を受けたセメント改良土の一軸圧縮試験と顕微鏡観察
北詰 昌樹牧野 真大吉田 有希
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2016 年 72 巻 3 号 p. 277-282

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抄録

 管中混合固化処理工法では改良土を埋立地などに直接打設する施工の他に,改良土を一旦仮置きした後に掘削・運搬・締固めなどを行う施工も考えられる.その際,既に固化反応が進んでいる改良土は攪乱を受けて強度特性が不攪乱攪乱の改良土と大きく異なる.本研究では,養生中に攪乱を受けたセメント改良土の長期間にわたる材料特性を一軸圧縮試験で調べた.その結果,不攪乱の改良土は脆性的な性質を示すのに対して,攪乱を受けた改良土は延性的な性質を示すことが分かった.しかし,時間経過とともに攪乱を受けた改良土も再び脆性的な性質を示すようになることが分かった.また,走査型電子顕微鏡による観察より,改良土は攪乱を受けると改良土表面に微細な空隙が多数出現するが,長期間の養生中にこれら空隙は水和物などで埋められる傾向が見られた.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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