抄録
高松城天守台石垣は,石材の孕み出しや割れ等の変状が顕著になり石垣崩壊が懸念されたために2007~2011年度に石垣の解体修理が実施された.本研究は,この石垣解体修理工事にともなって内部盛土の土質物理試験や簡易支持力試験を行い,内部盛土の堆積状態について明らかにした.さらに,石垣根石の補強として採用された枠工内の砂礫地盤に対する動的貫入試験を行い,枠工施工による地盤の締め固め効果を明らかにするとともに,石垣修理工事の前後に常時微動測定を実施して,得られた振動特性の変化から石垣積み直しによる安定性向上について考察した.さらに,個別要素法を用いた天守台石垣部の自重および地震動による変形挙動を解析し,修理前の石垣変状量との対比から本解析結果の妥当性を検討した.