土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
和文論文
粒度の異なる材料が混合されたため池堤体におけるコーン貫入抵抗の空間分布評価
今出 和成西村 伸一柴田 俊文珠玖 隆行
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 2 号 p. 213-224

詳細
抄録

 本研究では,地盤のモデル化で仮定する定常性を乱すデータ(外れ値)を分類し,複数の確率場を組み合わせて,粒度の異なる材料が混合された地盤の強度分布を評価する手法を提案した.まず,外れ値を除去する割合と,バリオグラムに対する近似曲線の RMSE の関係を調べ,RMSE が最小となる外れ値の除去割合を確認した.この結果から外れ値とその他の部分を区分する閾値を設定し,外れ値とその他のデータを個別にモデル化し,区分ごとの空間補間結果を統合して強度分布を評価した.また,一部欠損させた実測データを提案法に適用させ,欠損データの再現を試みた結果,概ね妥当な確率場が得られた.以上から,提案法は,CPT による換算 N 値の空間的なばらつきの大きな地盤に対し,外れ値を考慮した強度分布を適切にモデル化できることが明らかとなった.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top