2019 年 75 巻 3 号 p. 303-315
真空圧密工法において課題となる沈下に伴う気密シート直下の水圧増加を抑制するために,気水分離方式と称される手法が開発されている.これまでに同手法がより高い減圧効果を発揮することは実証されているが,同工法の変形抑制効果については十分に議論されていない.そこで本研究では,同方式を含む真空圧密工法の変形抑制効果を明らかにすることを主な目的に,水~土連成解析を実施し,主として次の知見を得た.1) 気水分離型真空圧密工法は,高いプレロード効果を有するため,真空ポンプ停止後の沈下を顕著に抑制する.2) 一方で,通常型真空圧密工法も,大沈下が生じ,気密シート直下の水圧が上昇するようなケースであっても,側方変位の抑制などに高い効果を発揮する.3) 通常型・気水分離型ともに,既往の施工実績以上に短期での施工が可能である.