2020 年 76 巻 1 号 p. 88-98
本研究では,盛土などの土構造物の防災対策を実施する場合における投資の優先順位の決定や補修・補強を効率的に行う手法を構築することを目的とし,数量化理論を用いた事例分析による盛土の崩壊形状予測に関する検討を実施した.その結果,盛土本体のすべり破壊には地形条件と経過年数,のり面流出には地形条件,盛土高さ,盛土材料が予測値に与える影響が大きいことがわかった.また,検討の結果得られたカテゴリースコアを用いて盛土情報から得られるスコアによる盛土の崩壊形状の判別基準を提案した.さらに,東北地方太平洋沖地震における盛土の被害事例を用いた検証の結果,提案した崩壊形状予測手法は被害の実態をよく説明していることが確認できた.