2021 年 77 巻 2 号 p. 103-117
放射性廃棄物の地層処分におけるベントナイト系緩衝材の機能低下に,高レベル放射性廃棄物からの崩壊熱による熱の履歴の影響が懸念されている.そこで,本研究では緩衝材の技術要件であるベントナイト系緩衝材による自己シール性および地下水の低透水性に及ぼす温度履歴の影響を評価する.本論では,不飽和ベントナイト中の水分移動特性の評価方法を確立した上で,温度履歴を付与したベントナイトの膨潤圧および水分拡散係数を測定した.その結果,膨潤圧は温度履歴の影響が小さいことが分かった.水分移動特性は,低乾燥密度のときに160℃以上の温度履歴を付与することで,水分拡散係数が高く,吸水速度が速くなるが,温度に応じた乾燥密度を設計することで影響を抑制することが確認された.