土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
和文論文
転炉スラグの地盤改良材としての検討
森河 由紀弘吉田 亮吉澤 千秋前田 健一須藤 達也佐藤 智範
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 77 巻 2 号 p. 159-171

詳細
抄録

 本研究では事前処理方法や膨張性などに課題がある転炉スラグを対象として,転炉スラグのかみ合わせや粗面の摩擦性や粒度特性,水硬性に着目した地盤改良材としての検討を行った.本検討によって軟弱な細粒土に礫分や砂分を多く含む転炉スラグを混合することで,混合土の粒度分布や締固め特性が改善され,セメント改良土等に比べ,締固め方法によらず転圧不足が生じにくくなることが分かった.また,混合土の強度は転炉スラグの混合率に応じて増加し,細粒土がクッションとなることで転炉スラグの短所である膨張性を抑制できることが分かった.さらに,水素イオン濃度が低くセメントが効きにくい対象土でも,転炉スラグを混合することで粒度の改善効果,アルカリ化,単位水量の減少効果などにより,セメントの改良効果が向上することが分かった.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top