2021 年 77 巻 2 号 p. 185-194
地下水の浸透流解析と多相流解析では,Richardsの支配方程式から求められた圧力表示の圧力型支配方程式と水圧と飽和度表示の混合型支配方程式が実務または研究で頻繁に用いられている.一方,飽和度のみの表示の飽和度型支配方程式は実務または研究事例も相対的に少ない.しかし,地下水の多くの書籍などでは,KluteとPeacemanにより求められた飽和度型支配方程式が紹介されている.本論文では,KluteとPeacemanの飽和度型支配方程式の誘導過程を整理して両者の関係を求めた.さらに,一次元の静水圧状態の水の飽和度の分布の再現を確認する簡単な解析を行い,両式の解析結果を比較した.その結果,両者の解析結果には差異が生じ,Peacemanの飽和度型支配方程式の方がKluteより精度がよいことが分かった.