抄録
山口県の一級河川である佐波川を対象として,河川の生態系の主要な分類群である底生動物の環境変化に応じた生物量の空間分布予測モデルの構築を行った.まず,河川の定点観測により,河川内における底生動物の季節変動を把握する調査を行った結果,4月と10~12月の非増水期に現存量が多いことが明らかになった.次に,現存量の多い時期を対象として,底生動物量を予測する一般化線形モデル(GLM)を構築した結果,底生動物は主要4分類群(ヒゲナガカワトビケラ科,シマトビケラ科,ヒラタドロムシ科,トンボ目)全てでモデル構築が可能であった.さらに,佐波川の国管理区間全域において,取水が有る場合,無い場合の2通りで流れ場の計算を行い,算出された結果に生物量予測モデルを外挿した結果,取水の影響により生物量が減少することが予測された.