2017 年 73 巻 4 号 p. I_1351-I_1356
我が国では,山林の荒廃や集中豪雨等の影響を受け,橋梁等における流木による被害が多く報告されている.これらの被害を軽減するため,土石流とともに発生する流木に対して,上流域の山地河川において対策を講じることは重要である.近年,これまで構築されてきた不透過型砂防堰堤における流木捕捉機能の不足が指摘され,鋼材の併用により流木対策機能を強化する考え方が設計指針において示された.ただし,効果的な流木対策の計画や設計を目的に,これらの示された構造における流木捕捉機能に関する更なる理解が急務であると考えられる.そこで,我々は基礎的な水路実験によって,流木の回転や堆積機構等を考慮した流木対策の計画や設計における留意点について考察した.