抄録
住民一人一人にその時,その場所での土砂災害の危険性を直接通知する土砂災害危険情報サービスの土砂災害危険度判定について,実際の土砂災害の発生と危険度判定の実績から,その的中率(災害発生率),見逃し状況などを既存の方法と比較検討を行うとともに,空振り率,判定時刻と発生時刻の差について検討し,その有効性について確認した.2014年広島豪雨,2015年関東・東北豪雨,2016年の熊本地方の豪雨について気象庁による土砂災害警戒判定メッシュ情報と比較して,その判定区域が絞り込めていること,災害発生予測率が高いことを確認した.
土砂災害発生時刻と判定時刻を比較し,判定が避難に必要なリードタイムを確保できていることを確認するとともに,土砂災害発生に対して危険度判定のあり・なしを確認し,見逃しはあるものの80%以上の災害を判定できていることを確認した.