土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第61巻
二極化した粒度分布を有する河床と表層礫構造の取り扱いに関する考察
溝口 敦子
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2017 年 73 巻 4 号 p. I_871-I_876

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抄録
 近年,数値解析技術が発達し,河床変動解析においても詳細な検討が行われつつある.しかし,現時点では,DEMなど個々の粒子を用いた解析は従来の混合粒径の河床変動解析より精度が良いというわけではなく,素過程を見出すツールとしての役割が大きい.一方,体積占有率を用いた従来の混合砂河床変動解析は,広域な解析を可能とするため改良されれば実河川に対し有用なツールとなり得る.例えば,出水時の河床変動から相対水深が小さい平水時の解析へつなげることができれば,有用性が高まる.
 そこで,本研究では,流砂量の算定に表層状態が重要となる粒径比が大きい砂礫河床を対象として,従来の方法からの展開を検討する.ここでは,まず表層礫構造と鉛直方向の間隙率分布と結びつけるなどして検討するとともに,対象砂礫河床で把握しておきたい現象について反砂堆の実験から抽出する.これらを踏まえ,実体積占有率と砂礫面を把握する解析を試行するなどして,出水時から平水時の現象へつなげるための取り扱いに関する一提案を行った.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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