抄録
直観的かつ柔軟に局所高解像度化を実現するために,非構造デカルト格子に基づいた3次元流動シミュレーターを開発した.局所高解像度化は,水域を水平面内で粗視的に表現する単位となるコンテナとそのコンテナ内の微視的空間構造を表現する鉛直コラムの2段構造で実現する.鉛直コラムは構造格子的にコンテナ内に埋め込まれ,鉛直コラムを構成する計算セルが隣接する計算セルと非構造格子的に連結関係を構築することで計算空間を表現する.本論文では,設計手法と数値スキームの概要について説明するとともに,本シミュレーターを円形湖の風応答,斜面への波の遡上現象,密度流の非静水圧問題へ適用し,その利点と精度を確認した.