2018 年 74 巻 4 号 p. I_13-I_18
各地で集中豪雨による斜面崩壊が多発する中,現状の設計実務や各種研究の多くが,降雨浸透問題には二次元FEM飽和・不飽和非定常浸透流解析,斜面安定問題には二次元極限平衡法が用いられている.また,浸透流解析で得られる不飽和域の浸透水圧は,斜面安定性評価に考慮されていない.そこで本研究は,マサ土斜面の簡易モデルを用いて,せん断強度低減法による二次元浸透-応力連成解析を行い,不飽和域の浸透水圧や集中豪雨が斜面の安定性に及ぼす影響検討を行った.また,極限平衡法による安全率との比較により,従来法の適用性検証を行った.不飽和域の浸透水圧や集中豪雨の影響により,従来法の適用性が低いケースがあることを示した.